2020年9月29日
みなさん、こんにちは。
私は、滋賀県東近江市にあります、ブラジル人学校 準学校法人日本ラチーノ学院 校長のカミムラ カイオと申します。
準学校法人日本ラチーノ学院は、設立して20年以上になり、ブラジル人の子供たちを集めてクオリティのある教育を提供しています。
新型コロナウイルスの関係で、世界的にパンデミックなど日々の生活がとても大変な時であり、多くの人が経済状況が不安定であるため、収入の減少や解雇などの事態に直面しています。
私たちは、先行きの見えないこの状況を大変心配しております。
今日は、少しいい話を皆さんにお伝えします。
学校関係者である、生徒、保護者の皆様、先生方にとって興味深い話だと思っております。
内容としては、日本の休眠預金に関係する法律(民間公益活動を促進するための休眠預金などに係る資金の活用に関する法律)についてお話したいと思います。
日本では、ほとんどの人が金融機関に口座を開設しており、この口座等が10年以上取引されていないと、政府など(預金保険機構)へ移管される仕組みとなっています。
この集められた預金などは、指定活用団体及び資金分配団体を通じて、民間公益活動の促進のために使用されます。
私立学校の一つである、ラチーノ学院も、今年は新型コロナウイルスの影響でとても大変です。
このような状況の中、滋賀県東近江市にある公益財団法人東近江三方よし基金という財団法人が、集められた預金の一部の交付を受け、今回、本校へ助成してくれることとなったのです。
今年度に、2,000万円の助成金を受け取ることとなり、大変喜んでおります。
日本に在住していない人にとっては、実感がわかないかもしれませんが、100万レアル相当になります。
聞いたところによると、助成金は、とても高額なもので、私たち学院においてはとても光栄なことです。
これらは、学校や家族を援助してくれるものですが、これ以上に、私たちの学校が重要な存在であるということを日本の政府や多くの方々が認識してくれたことに感謝しております。
助成金は、公益なものであり、助成してもらうには、その時々の学校の状況や国や世界が遭遇する危機、仕事の種類、フォローするものの種類によって変わってきますが、私たちにとっては、とてもありがたいものです。
助成金2,000万円を受け取るには、申請や審査会など様々な手続きがありました。
本校は、市や県の方々等の協力を得て、すべてを可視化し、日々努力していたことにより助成金を受け取ることができたのです。
基本的には、ブラジル人の家族、本校に通学してくれている生徒を援助したいと考えています。
それについては、今年10月より6か月間、全生徒の授業料(給食費)を5,000円減額します。
残りは、学校の施設設備の充実などに使用します。
まず15の教室にエアコン設備
全教室にインターネット環境設備、教師用のパソコンの導入
(新型コロナウイルス関係で、対面授業からオンライン授業に切り替わった場合に備えるため)
トイレの改修
(現在、本校は和式トイレとなっているため、子供たちに使いやすいように便器の洋式化)
食器洗浄機の設置
(本校をご存じない方に説明しますと、女性2名スタッフが朝、昼の食事の準備、提供をしており現在190人の生徒及び教職員が利用するため、支援が必要)
10月から助成を受けることになりますが、この助成金に対しては、使途や支出額を正確に明らかにする必要があります。
学校の運営経費には使用しません。
具体的には、通学する子供たちのために、学校設備を整えるためのものです。
以上が、私たちの目的・決意であります。
これまでに申し上げました通り、本校はすべてのことに対し明らかにしなければなりませんし、常に透明性の確保が必要です。
助成金は公的なもので、使途について、公表する必要があります。
使途の詳細につきましては、本校のホームページに随時掲載していきますので、ごらんいただきますよう、よろしくお願い致します。
終わりに、本日私たちがここにいられるのも、小椋正清東近江市長をはじめとする皆さんのおかげです。
本当にありがとうございます。
皆さんの支援がなければ、本日、本校は存在しておりません。
信頼と信用を持って本校に助成してくださいました財団法人三方よし基金の関係者の皆様、本校のためにご尽力頂きました方々、本当にありがとうございました。
私は、日本の教育に誇りをもっており、日々多くのことを勉強させていただいております。
私たちが日本の教育をするには、人を思いやることがとても大事だと思っています。
日本にあるブラジル人のコミュニティにおいても貴重なものであり、私たちは日々努力しなければなりません。
本校は、本当にいい学校で、素晴らしい生徒たちばかりです。
すべてに感謝申し上げ、心からメッセージを送ります。
コロナウイルスには負けません。また平和な社会が戻って来ます。
ラチーノ学院をご存じない方に、学校紹介ビデオをお送りします。
ご覧ください。
ありがとうございました。
日本ラチーノ学院 校長 カミムラ カイオ